出典:HULU/GRIMM
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こんにちは!カラアゲさんです。
今回は有名な「グリム童話」をモチーフにしたダークサスペンス・ファンタジーの海外ドラマ「グリム」を紹介します。
シーズン6で完結済みの作品です。
グリム(GRIMM)のあらすじ・人物相関図・ヴェッセンの種族・感想
1.あらすじ(ネタバレ注意)
グリム兄弟の末裔である刑事ニックが刑事の相棒ハンクやブルットバット(狼の魔物)モンローとともに悪い魔物たちと闘いながら奇怪な事件を解決していくストーリー。
ニックはある日女性の顔が化け物のように変わるのを目撃しその後、育ての親であるおばのマリーが現れ、ニックに対し、自分たちはグリム一族の末裔で他の人には見えないものを見る力、魔物の正体を見破る力があると話す。
マリーおばさんからグリム一族に引き継がれてきた武器や資料が詰まった「トレーラー」を譲りうけ、グリムとして、刑事として魔物達と闘います。
最初はハンクや彼女のジュリエットにグリムの正体を隠していましたが、打ち明け受け入れられながら仲間を増やしていきます。魔物は総称「ヴェッセン」と呼ばれ、普段は人間の姿をして人に紛れて生活していますが、グリムに目を見つめられると本性を見透かされ、本性が現れます。
このことを「ヴォーガ」といい、この状態の時はヴェッセンも相手がグリムだと判別できます。
作中ではよくニックに見つめられヴォーガして「お前、グリムか」とビビるシーンが多いです。普通の人間(ケアザイタ)にはヴェッセンの真の姿は見えませんが、ヴェッセンが意図的にヴォーガして姿を見せようとすると普通の人間でも姿が見えます。
2.グリム(GRIMM)の人物相関図
グリム(GRIMM)シーズン1の人物相関図
グリム(GRIMM)シーズン2の人物相関図
グリム(GRIMM)シーズン3の人物相関図
グリム(GRIMM)シーズン4の人物相関図
グリム(GRIMM)シーズン5の人物相関図
3.ヴェッセンの種族
ブルットバッド(ブルットバーデン)
狼型のヴェッセンで、「赤ずきん」はじめ多くのグリム童話に登場する“大きくて悪い狼”が基本キャラクター。 “ブルットバッド”は英語で“bloodbath”=血の風呂を指し、複数の場合は“ブルットバーデン”となる。一人暮らしが多いが、群れで行動すると暴力的になり、赤い色に強く反応する。嗅覚とパワーに優れているが弱点はトリカブトで、これを塗ったものの匂いを嗅ぎ付けることはできない。背中の下部を攻撃されるのも弱い。モンローのように『食餌療法、サプリメント、エクササイズ』などの矯正によって本能を抑え、人間社会に溶け込む努力をしているものもいるが、満月や他のブルットバッドと戦わなければならない時など、本来の変身能力に理性が抗えない場合もある。
グリムの死神
トロール(鬼)型の魔物で単に“死神”とも呼ばれる。彼らはグリム一族の抹殺を目的とする秘密組織である。通常、黒いトレンチコートなど黒衣に身を包み、大型の鎌を武器として携行する。携行用のブリーフケースにはドイツ語で“グリムの死神”と記載されている。彼らの殺人手段としては大鎌で被害者に襲いかかり首をはねるのが常である。
イェガーバー
熊型のヴェッセンで、単数、複数形、共にイェガーバー。「イェーガーバー」という言葉はドイツ語の「狩人」と「熊」を合わせた造語。彼らは成人の儀式として“ローハッツ”と呼ばれる狩りをし、獲物の内臓を鉤爪の武器で取り出す。「ローハッツ」のローはドイツ語の「生」、ハッツは古代ドイツ語で「狩り」を意味する。
メリファー
蜂型のヴェッセンで、ラテン語で“蜂の生態”といった意味合いをもち、ヨーロッパに生息する蜜蜂属の学術名アピスメリフェラに由来する。メリファーの唯一の天敵はヘクセンビーストである。またメリファーはグリム一族に対して唯一友好的なヴェッセンである。
ヘクセンビースト
ヘクセンビーストは、銀髪と醜い腐敗しかけた顔を持つ魔女型のヴェッセンで、ドイツ語の「魔女」と「野獣」の造語である。また男性型の場合は魔法使いの野獣という意味の“ザウバービースト”と呼ばれる。舌に印があり、人間の時にも変化した時にも見られる。全てのヘクセンビーストは人間型を取るときはたいへん美しく魅力的で、誘惑や人心掌握に長けている。メリファーの唯一の天敵と認知されているヘクセンビーストだが、万が一グリム一族の血液を摂取した場合、彼らは一様にヴェッセンとしての力をなくし、只の人間になってしまう。
ツィーゲフォルク
ツィーゲフォルク(または青ひげ)は山羊型のヴェッセン。ドイツ語の「山羊」と「人間」の造語である。男性型しか存在しないが皮膚から強力なフェロモンを放ち、人間(特に女性)を魅了するヴェッセン化するとたいへん俊敏で、屋根の上からジャンプして、ニックとハンクの追跡を逃れたりもしている。
ライニゲン
ネズミ型のヴェッセンで、ドイツ語では「掃除」を意味する。
バウアーシュヴァイン
ブタ型のヴェッセンで、ドイツ語の「農夫」と「ぶた」の造語。普段はそれほど攻撃的ではないのだが、グリム相手には攻撃性が増すきらいがある。またブルットバッド種とは宿敵同士で、モンローいわく「ブルットバッドとバウアーシュヴァインの争いの歴史は長く、例え自殺でもバウアーシュヴァインが死ぬとブルットバッドのせいになる」。
ジークバースタ
鬼型のヴェッセン。たいへん希少種で、異常に密集した骨格と頑丈な皮膚を持つ。モンローいわく「骨が強いだけじゃない。電車を止められるほど皮膚が厚いうえに、体臭もキツイ」。
ラオズィンシュランガ
蛇型のヴェッセンで意味は「不潔な蛇」。二股に分かれた舌に斜視、うろこ状の肌を持つ。まるで大蛇・ボアのように、マウズハーツのような弱い獲物をターゲットにすると絞めこんで離さず、強い腕で獲物を絞め殺す。人を襲って補食することで知られる。
マウズハーツ
ハツカネズミ型のヴェッセンでドイツ語で「ハツカネズミの心臓」の意味。ビーズのような目、突き出た鼻から針金のようなヒゲが伸びる。また出っ歯である。たいへん臆病で自分の影にも脅えるほど。人に害は及ぼさず、グリムの本にも彼らについて記述がなかった。
ガイアー
ハゲタカ型のヴェッセンで、ドイツ語でまさに「ハゲタカ」の意味。木に飛び移る能力を持ち、木の上で獲物が下を歩くのを待つ。もっとも下劣なヴェッセンで、グリムのジャーナルには『彼らはまだ生きている人間から臓器を摘出する。そうしてひどい痛みを与えることに喜びを見いだす。戦場で起こる大虐殺は彼らにとって絶え間なく臓器を入手する機会となる』という記述がある。
フクスバウ
キツネ型のヴェッセン、フクスバウはドイツ語で「キツネの穴」という意味。商才に秀でており、ヴェッセンが必要とする薬草や、またそれから精製した様々な薬品、ハーブティーなどを商う。
ローウェン
ライオン型のヴェッセンで語源もドイツ語の「ライオン」。モンロー曰く「グラディエーターのローウェン」は獰猛で、強い敵意を感じることで力が増す。
スタインアドラー
鷲型のヴェッセンで語源はドイツ語のゴールデン・イーグル。直訳するとストーン・イーグルとなる。まるで軍人のように規律正しく、正義感がある。また、とても勇敢で高貴なことでも知られており、忠誠心も高い。
シャカール
ジャッカル型のヴェッセン。シャカールはそのままジャッカルという意味。盗みで生計を立てている。たいへん残忍で、赤子を食べることでも知られている。
デーモンフュアー
ドラゴン型のヴェッセンで、語源はドイツ語の「デーモン」と「ファイアー」。とてもレアな種族で、モンロー曰く今はかなり数が少なくなっている、とのこと。また彼らは一種の先祖返りで、ドラゴン系の一族に由来する、弱きを助ける正義の味方だったと言われている。
スカレンゲック
トカゲ型のヴェッセンで語源はドイツ語の「うろこ」と「ヤモリ」。また「ヤモリ」は中世ドイツ語で19世紀の流行語“バカ者”を指す。モンロー曰く「痛みすら楽しみ、悦楽を通じて免疫化するやつら」。常にチロチロと舌を出して捕食相手を脅したりからかったりする。
クラウストライヒ
ネコ型のヴェッセンで語源はドイツ語でいたずら者という意味をもち、同じくドイツ語の「爪」と「ひっかく」の造語である。またKlauはドイツ語で「盗み」を表すklauenから。女性たちには人気があり魅力的だが誠実さのかけらもなく、非常に暴力的だという。
ゼルテンフォーゲル
鳥型のヴェッセンで語源はドイツ語で「貴重」と「鳥」。古来からたいへん伝説的でレアな種族らしく、ニックが目撃した話をするまで、モンローもロザリーもとっくに絶滅したものだと思っていた。大きな金色の目と 金色の羽を持つ。その希少性から古代の王宮などでは大抵囚われの身となってペット化していた。またそれは彼らが一生に一度生み出す、金の卵(ウンベツァルバール=プライスレスの意)のせいだとも言われている。
フントイェガー
犬型のヴェッセンで、語源はドイツ語の「犬」と「ハンター」。追跡能力に優れていて、情け容赦なく獲物を追いつめる。また冷酷で計算高い。ヨーロッパに拠点を持つ、権力欲と世界征服欲にまみれたヴェッセンの王家“フェラート”に雇われており、フェラートの執行人を務めている。執拗で狡猾な種族で、母親の子宮を食い尽くしてこの世に生れ出るとも言われている。
アイスビーバー
ビーバー型のヴェッセンで語源はドイツ語の「氷」と「ビーバー」。初登場は第5話の「死の舞踏」で、ニックの家の冷蔵庫を修繕に来る。とても穏やかで柔和な性格だが、人嫌いのマウズハーツ等とはやや異なる。職業は修繕人やパン屋、職人など。またこの街の建設会社のほとんどはアイスビーバーである。
ヘスリッヒ
トロール型のヴェッセンで、語源はドイツ語の「醜悪」。それゆえ「醜いヤツら」と呼ばれることもある。住んでいる地域の橋の管轄を好み、生業としている。
ムルシエラゴ/ガウータブリッツ
スペイン原産のこうもり型のヴェッセン。赤い目と凶悪な牙が特徴。凶器として何もかも破壊する高周波の音、いわゆる超音波を出すことができる。人間や動物など生き物がその音を聴けば鼓膜は破れ、耳鼻から血が噴き出し、眼球が飛び出て鼻腔は傷つき、はらわたが破裂してしまう。もっとも有効な周波数に達すると人間の体内の動脈を破ることもできる。もちろん周囲のガラスなども粉砕する。
ヴィルダーマン
いわゆるビッグフット型のヴェッセンで、語源はドイツ語の「ワイルドマン」。イエティや雪男などと呼ばれる場合もある。人間に似た容姿を持つが体毛が長く、牙があるなど、一見恐ろしげな容貌をしている。孤高の暮らしを好み、自然を愛し、キャンプファイアやハイキングなどを好む。通常は親しみ易いモンスターである。
モヴェ・ドン
フランス語で“Bad Teeth”の意味を持つ、サーベルタイガー(剣歯虎)型のヴェッセン。たいへん危険なヴェッセンでニックの母親曰く「獰猛な殺人マシーン」。過去にたった一匹で村を全滅させた凶悪なものもいる。行動は猫に似ており、獲物を観察し、どこかに隠れてじっと待っている。獲物に陰から飛びついて噛み付き、死に至らしめる。
ハーフ・ザウバービースト
魔女型のヴェッセンであるヘクセンビーストに対して、男性はザウバービーストと呼ばれる。
コヨータル
コヨーテ型のヴェッセンで、必ず群で行動する。群れからは一度入ったら決して抜けられず、群れを離れるということはその一族にとっての一大事となる。気性は荒く、卑劣で汚いいじめっ子タイプ。行動も犯罪まがいが多いので“ヴェッセン界のストリートギャング”のようなものとして人気のない場所では出くわしたくない連中とされる。
ナックラヴィー
馬のような頭に黒く長い毛。皮膚に血管が透けて見える。凶暴なヴェッセンとは違って静かに素早く行動し、探索の技術にも長けている。
ゼーレングート
羊型のヴェッセン。複数形はゼーレングーターとなる。顔や体は白い毛で覆われている。たいへん大人しい性格で、神を信じて正直に暮らしているので策士や悪人に騙されやすい。
ケーニッヒシュランガ
ドイツ語でキング・スネークの意を持つコブラ型のヴェッセン。たいへん強く、危険なヴェッセンで、力の強いブルットバッドや天敵のグリム相手でも互角に戦うことができる。その強さゆえ、多くの凶暴なヴェッセンがケーニッヒシュランガの配下に従っている。疑い深く、物音を立てずに隠れることも得意。
ドラング・ゾーン
ドイツ語で衝動と激怒の意を持つアナグマ型ヴェッセンで、黒色の短毛が体を覆っている。口には上下に飛び出す牙が生えていて、敵に激しく噛みつく。扱いにくく、短気で暴力的になりがち。
ジニオ・イノーキュオ
天才を意味する「genio」と、無害を意味する「innocuo」を合わせた造語。性格は内気で閉鎖的。知的で心優しいため、暴力的傾向は一切無く、また敵と戦うための筋力もたいへん弱い。
バラーム
ジャガーに似たヴェッセンで、全身を覆う体毛は青紫で黒い模様が浮き出る。感情が出ると目は琥珀色に輝く。耳は小さい。性格は興奮しやすく、こうと決めたら目的のものまで後先考えずに一直線に猛進する。
リーベンザウガー
ヒルのような姿で鼻は退化し、丸く開く口には無数の牙のような歯が生えている。
ウェンディゴ
歪んだ唇、黄色い目、尖った耳を持ち、歯は牙のように鋭い。また彼らの息は焦げた肉のような匂いがする。痩せ形だが力は強く、たいへん凶暴。殺人に罪悪感をもたず、食糧としての殺人と食人行為に及ぶ。食べた人間の残骸を、自分が住んでいる場所に埋める習性がある。
シャーフブリック
鋭い(sharp)と眼差し(sight)の造語でフクロウ型のヴェッセン。
ジヌムルー・シュンテ
南アフリカ、ケニアから飛来したヴェッセンで、アフリカ語では“涙を奪う邪悪な悪魔”の意がある。大きな目玉に鋭い歯が並ぶ口、ハエのような姿形で、また動きもハエそっくりにスピードを出したり止まったりする。アフリカ大陸で最も残忍と言われ、人間の目に寄生虫の入った赤い細菌を吹きかけ、長い舌でアヘンのように人間の涙を摂取し、視力を奪う。
フクストイフェルヴィルト
“キツネの悪魔のように恐ろしい”という意味を持つ。緑の皮膚に尖った鼻と耳、口からは鋭い牙が飛び出している。四本の長い指からは筋肉から分泌される高濃度の酸を噴射し、金属や木などの固いものでも焼いたり切ったりすることができる。
トーレウス・アルメンタ
“雄牛”と“農耕用家畜”の造語で、雄牛型のヴェッセン。
グリューエンフォルク
“発光する”と“人々”の造語で、爬虫類に似た人型ヴェッセン。頭髪、体毛はなくトカゲの皮のような皮膚に覆われている。皮膚には生物発光の元となる酵素が含まれており全身が青く光る。その皮膚にたいへんな価値があるので、ヴェッセンのコレクターが蒐集している。
ローブコンドル
“盗人”と“コンドル”の造語でしつこく危険なハンターのヴェッセン。
イーザーペッシュ
“輝く”と“漁師”の造語でアザラシ型のヴェッセン。
ムーザイ
ムーサはギリシャ神話の文芸を司る女神たちで、ムーザイはその女神に似たヴェッセン。ムーザイには触れた異性を自分に溺れさせる能力があり、特異な強迫的願望を愛と錯覚させる。ムーザイは唇から抗精神剤のようなものを分泌し、彼女とのキスは男性にとって麻薬、陶酔と中毒をもたらすため、男性は正気を失い破滅に陥る。それはヴェッセンや人間だけに限らず、グリムにとっても同様に影響する。
クラシェイ・モーテル
“吐き出す”と“死”の造語でフグ型のヴェッセン。大きな目と広い口を持ち、頬をふくらますと、対象物に緑色の液体毒(テトロドトキシン)を吹きかける。緑色の粘液はアトロピンやスコポラミンなど複数の薬物の効果を持ち、仮死状態を誘発する。吹きかけられた相手は神経が遮断され心臓も止まり仮死状態となる。
ナイアッド
ナイアッドは人魚に似たヴェッセン。
エル・ククイ
エル・ククイは “自警団”タイプのヴェッセンで、超聴覚を持つ。
ゲラムカエダス
ゲラムカエダスはラテン語で「冷酷な殺し」の意味を持つ、アリゲーター似のヴェッセン。。怪力を持ち、人間を簡単に引き裂いて振りまわす。ゲラムカエダスに噛みつかれたらまず助からない。大きな体の割に素早く動くことができる。
クランプス
クランプスの名前の由来は爪を意味する古いドイツ語。サンタクロースのコスチュームを着こんでいるが、その顔は鋭い歯、大きな巻角、赤く長い二股になった舌と、恐ろしいものである。たいへん力が強く、いとも容易く子供(といってもティーンエイジャーの少年少女)を襲って袋に詰め込み、背負って歩くことができる。
コシチェイ
コシチェイは、ロシア民話の“骸骨人間”の意で、放射能性の骸骨状のヴェッセン。コシチェイはヴォーガ状態を、目と手だけに留めておくことができる。酷い怪我や病気を治す力を持っており、コシチェイに治療してもらった病人や怪我人はたちどころに治癒するが、同時にコシチェイの方は恐ろしく消耗してしまう。コシチェイは触れた相手を治すだけでなく、殺害することもでき、暗殺者としても重用されていた。
ヤガラテ
ヤガラテはスペイン語でジャガーを意味する、ジャガー系ヴェッセン。行動は素早く敏捷で人間よりも力が強い。本来はとてもシャイな性格だが、大きなストレスにさらされるとヴォーガし、さらに感情が高ぶったり、身内に危険が及んだりすると攻撃目標の喉に噛みついて食いちぎるほど極端に攻撃的な行動に出る。防衛本能も強く、グリムを非常に恐れる。群れで集まって生活し、その性質からギャング団となることも多い。
マンティコア
ライオンとサソリの二様性を有する極めて特異な体を持つヴェッセン。ヴォーガするとローウェンのようなライオン状の容貌になる。
ヴィルデスヘーア
姿形は狼に似たヴェッセンで、他にドイツ語で「ワイルド・アーミー」という意味の「ヴォティスヘーア」とも呼ばれる。ヴォーガすると力も強くなり、成人男性を片手で小脇に抱えるくらいは造作もない。その力はグリムやブルットバッドでもかなわないほどで、ヴェッセンの中でも最も力が強く、危険な種の一つとされる。
アスワング
アスワングはフィリピンの土着伝承から登場した悪鬼様のヴェッセン。妊婦を襲撃する際には、噛み砕いた吉草根(きっそうこん)という生薬を長い舌で妊婦の腹に注入して眠らせ、羊水をすすって胎児を食べる。
アヌビス
アヌビスはエジプトにルーツをもつジャッカル似のヴェッセン。
ゲデヒトニス・エッサー
他者の「記憶を食う」ヴェッセン。頭部から幾本もの触手が伸び、タコのような外見になる。この触手のうち他よりも太く長い4本で対象人物をガッチリと押さえ込み、後頭部から脳に触手を突き刺すことで、記憶を抜き取る。
ヘフティヒオーロック
“怒れる猛牛”型ヴェッセン。
シンダーディヴ
ドイツ語ではげしくムチ打つ+弾圧者の造語。イボイノシシのようなヴェッセン。
ルイソン
狼型のヴェッセンで、見た目はブルットバッドにも似ているが、ブルットバッドよりも大きな耳が特徴。性質は大抵温和で物腰が柔らかい。物欲への執着心が強く、金銭が絡むと敬愛する者も裏切ったり操ったりすることがあるが、目的のために暴力に訴えることはない。
ファンシガー
ファンシガーはヒンディー語で「人を吊るして悪事を働く人」の意を持つ。スカレンゲックの一種でありコモドドラゴンによく似た容貌を持つヴェッセン。
ウォルドレオール
名前の由来はドイツ語の「虐殺の血」で、ヴェッセンが感染する一種の疾患による異形化である。感染すると高熱や吐き気に襲われ、犬のような形相、ギラギラした血のような赤い目、ゴツゴツした体毛に覆われ、血斑の浮いた皮膚などが見られる。
マタンカ・ズンビード
名前は"ブンブン殺し"の意味合いを持つ。デンキウナギ似のヴェッセン。
エクスカンデスコ
ラテン語で“怒りの炎”または“激しく燃え盛るもの”という意味。不死鳥の基になったと言われる魔物。たいへん危険なヴェッセンで、ヴォーガすると漆黒の岩石状の体から高熱の炎をまとった姿となる。
ヴィラハラ
多産のヴェッセンであるため、幸運と子孫繁栄の象徴とされ、新婚夫婦に恩恵を与えるという風習“スペディグベレンデス”に利用される。子供を授かりたいと望む夫婦が、切り落としたヴィラハラの足を寝床の下に置いて子作りに励むとほぼ3日以内に懐妊する、という風習で、彼らの左足は幸運とされ、さらに足が新鮮であるほど効果は高いと信じられている。
ヴルプスミルカ(レポーラム・ヴェナトル)
ヴィラハラ狩りを得意とし、素早い動きで追跡して獲物を仕留める。力も強く、対決すればグリムにも勝る。襲撃の前には獲物のそばでアコーディオンを弾き、獲物が1人になったところを狙って襲いかかり、大きな斧でヴィラハラの足を切断する。
フンタ・ラミ・ムアジ
「雌雄同体の殺人者」という意味を持つヴェッセン。雌雄同体、ヴォーガで性転換する。ヴォーガの後はどちらにも戻れる。他のヴェッセンと違いフンタ・ラミ・ムアジがヴォーガした姿はグリム以外の人間でも見えるが、その姿を見て生き延びた者はいない。
フォルターゼーラ
「カエル」と「魂」の造語で緑色のカエル似のヴェッセン。珍しい種族で、ヴォーガの仕組みが他のヴェッセンとは違う。ヴォーガのきっかけは感情ではなく肉体的で、自分からヴォーガするのではなく、相手が性的に興奮することによって防御機能としてヴォーガする。フォルターゼーラはヴォーガすることにより、皮膚から猛毒のバトラコトキシンを分泌する。普通の人間がこの毒に触れると全身に水泡があらわれ、呼吸困難でたちまち死に至る。
ヴァーマ・ティーヴ
獲物を凍らせるヴェッセン。
ミシピシュ
またの名を“ギチエアナミビス”といい、伝説上の生き物で竜の体と角を持つヒョウ。人に憑依し、素早い動きと強い力で敵を襲う。本来は守護精霊だが復讐の獣でもあり、復讐を完全になし遂げるまで憑依は止まらない。
キハダ・ヴィール
力は強く、たいへん攻撃的。知能は実に高く、コンピューターを利用した知能犯罪に長けている。
アプガードニエクス
たいへん頭が良く、また用心深い。他の仲間に指示するなどリーダー的な素質もうかがえる。
ヴェッテン・オーゲン
ヴェッテン・オーゲンは長い歴史を持つ種族で、彼ら自身も伝統を大切にし、高潔な生き方をよしとしている。
ハーゼンフーシグ・シュネッケ
ドイツ語で“臆病なナメクジ”といった意味合いのヴェッセン。普段は温厚だが怯えるとすぐにヴォーガしようとしてしまう。また、人間体の時に大きな体をしていても体力的に非力で、暴力にも全く抵抗できない。
フルクレイ
雄牛のような外見の種族。ルクレイは、かつてはケアザイタ(ヴェッセンではない人間)を狩っていたが社会の変化にいち早く適応して農耕生活を始めた。
カッケンコプフ
ドイツ語で「まぬけ頭」という意味合いのフンコロガシに似たヴェッセン。
ヴィボラ・ドラダ
動作は俊敏、かつ非常に力が強く、狙った相手を力で押し倒すこともできる。また神経毒を使う種族で、鋭い歯で噛んで獲物を麻痺させ、素早く横隔膜に毒を注入することで呼吸不全に陥らせ、ヴォーガした獲物をヴォーガ状態にとどめておくことができる。
ムササット・アル・シャバブ
アラビア語で、「若さを吸う者」の意。甲虫類のスカラベに似たヴェッセン。ムササット・アル・シャバブに若さを吸われた人間は48時間以内に一気に老化し、死亡する。吸い取られた液体状の若さは“ヤンブワ”と呼ばれ、ヤンブワを他の者が顔につけると瞬時に老化が消えるが、同時に依存性も高く、使用者もやがて怪物化してしまう。
フューリス・ルビオン
古代からいる種族で、昔から悪魔と間違えられてきた。
イヌガミ
日本語で文字通り「犬の神」。神や精霊とは違いれっきとしたヴェッセンなのだが、霊犬や守り神、サムライとして他のヴェッセンに認識されている。
バルバトゥス・オシフラガ
戦場や救貧院やスラムを渡り歩く種族で、非常に鼻が効き、血の匂い、切迫した死の匂いに惹かれて、今にも死にそうな負傷者を狙う。
ルイゾン・ペシュール
名前の由来は「輝く漁師」。ヴォーガすると体全身が茶色く短い毛皮に覆われ、頭部は毛髪が消失してカワウソにそっくりな見た目になる。もちろん泳ぎは得意なので、逃走するなら地上よりも水中のほうが有利。それほど強力で攻撃的なヴェッセンではないので他の強いヴェッセンには体力的に敵わないし、グリムのことも恐れている。ふだんは穏やかで正直、地味に生活している。
ヴァッサー・ツァーヌ
ドイツ語で「水」と「歯」を意味する言葉の造語。水陸両棲のヴェッセン。ヴォーガすると、頭に緑色の魚の背びれ状の物体が5本生えるのが特徴。水中での動きは素早く、高速で泳ぐことができる。また人間より力も強く、水中で捕まえた獲物を押さえつけて暴行する。性格は攻撃的、また短絡的で、金に汚い。
Uhranuti
“悪の眼”という意味のファルコンに似たヴェッセン。ヴォーガすると、頭部は硬い羽根状のものに覆われ、鼻の位置は黒い嘴となる。狙撃手などを生業としている。人間相手には体力的にかなり勝り、易々と相手を殺害することができる。冷酷な性格で、犯罪や暗殺に対して罪悪感はない。
Ungeziefer Greifer
ドイツ語で「害虫」と「かぎ爪」を合わせた名前でイタチに似ているヴェッセン。ヴォーガすると、耳が伸びて大きくなり、頭髪部分は灰色の毛皮のようになる。実に臆病で、いつもビクビクしており、また用心深く、グリムのような敵を瞬時に察知し、正体を見分けることができる。
Wettbewerbsgewinner
ドイツ語で「競技の勝者」という意味合いの鳥と爬虫類の混ざったような、トカゲに似たヴェッセン。ヴォーガすると頭部はトゲのある緑色の硬い皮膚に覆われる。
ライカンスロープ
ライカンスロープとは厳密いうとブルットバッドだけが罹患する遺伝子の突然変異のことで、病名はライカンスロピア。劣性遺伝であり、子孫に発現する事はまずない。発症した場合、症状が現れるのは3日続く満月の夜に限られる。いわゆる人狼状態であり、夜になり月が上ると一時的に我を失って、ヴォーガした自分を止めることができず、暴走して出会った獲物を次々に殺害してしまう。いわば強化型ブルットバッドであり、通常の人間または同じブルットバッドでも凶暴化を止めるのは難しい。ヴォーガすると目は赤く光り、無意識に強力な力を発揮し、拘束などはいとも容易くちぎってしまう上、施錠されたドアなども叩き壊す怪力を出す。ブルットバッドの一族は、ライカンスロピアの症状が現れたら我が子でも殺したと言われており、百年前に根絶されたとされていたが、稀に残っていることもあるらしい。凶暴化を止めるにはシュラフトルンクという鎮静剤が効くが、もちろん通常の2倍の量を要する。
ザウバービースト
ドイツ語で「魔法」・「魔法使い」と「獣」を意味する。ヘクセンビーストと対をなす、男性版のヴェッセン。ヴォーガすると、ヘクセンビースト同様に人間の骸骨のような姿になる。頭部・顔面は黒ずんで乾燥し、何本もの深いしわで覆われる。唇はなくなり、歯がむき出しになる。生粋のザウバービーストともなるとその魔力はたいへんなもので、ヘクセンビーストのイヴでも敵わない力を持つ。妖術・幻術に長けており、テレキネシス(念動力)で物を簡単に動かしたり、手を触れるだけで人間を石化させるといった強力な魔法を使う。高い知能と統率力はこの種族の特徴で、組織の長として君臨し、人間界を我が物にしようと画策する。
エル・クエグレ
スペイン地方発祥のヴェッセンで、ヴォーガすると頭髪はなくなり、体全体が青緑色に変色する。エル・クエグレは悪名高いヴェッセンとして知られており、それは母親たちから幼い赤子を奪い去り、鬼胎の間、手元に置くからである。彼らの片方の目には過去が見え、もう片方には現在が見えるが、第3の眼には未来が映り、将来、邪悪な所業をなす子供が見える。それゆえに将来、悪行をなす子供を仕方なく食べるとしている。
アタクトス・フーシー
名前の意味は“パーティー・ピープル”のことで、ワインと酒宴のギリシャの神ディオニュソスの元となったもの。ヴォーガすると、人間くらいの大きさのセミに似た形状となる。
アルプ
ドイツ語で“悪夢”を意味する言葉。ヴォーガすると全身が緑色の短毛で覆われ、小さい緑色の目が光る。
キューピディタス
ラテン語でキューピッド(天使)と“欲望”の意味を持つ造語。ヴォーガすると頭髪は短くなって逆立ち、頭からは小さな角が2本生える。逆恨みしやすく執念深い性格で、ひとたび怒らせるとずっとその怒りを忘れず、復讐の機会があればすぐさま行動に移す。得意な魔術は「地獄の愛」で、術をかける人間の髪の毛と自分の唾液を混ぜた飲み物を、対象者に飲ませることで、飲んだ人間は飲み物に入っている髪の毛の持ち主に激しく恋してしまう。その術をかけたキューピディタスが死ぬと、術は解ける。
キノシモベ
姿形は、枯れた大木そのもの。茶色の幹と枝には緑の葉はついておらず、幹の分岐で腕、足、顔のように見える。自然を守るため、常に防御モードになっており、人型からのヴォーガはしないと思われる。森の奥深くに棲息して自然環境を守り、森の破壊者もしくは侵入者に近づくと、その体に蔓を巻き付けて絞め殺し、森の奥へ引きずり込む。たいへん力が強く、銃なども効かないため、対処には鋭利で強靭な刃物が必要とされる。
樹木子(ジュボッコ)
樹海に棲息し、人間の血液を吸血して生きている巨木。地面に根を張っているため、そこから動くことはない。キノシモベとは共生関係で、キノシモベが運んできた森林の破壊者を自らの中に取り込む。被害者の顔が木目となって、樹木子の幹に浮き出して見える。
ゲファータ・トート
ドイツ語で“死の教父”を意味する、虫型のヴェッセン。
ツェアシュテーラー(その1)
ドイツ語で“破壊者”の意味を持つ大きな人型のヴェッセン。焦げて炭化したように黒い骸骨の顔を持ち、皮膚は主に真っ黒だが、体の様々な部位に、熾火のように濃い赤色をした部分もある。声は低く、ひどくこもっている。目は暗闇で緑色に光る。強い力を秘めた長い木の杖が主な武器で、そこから出る緑色の光の衝撃波で敵を吹き飛ばす。異界に潜んでいるヴェッセンだが、そこではバウアーシュバインたちに非常に恐れられている。
ツェアシュテーラー(その2)
異界ではヴォーガした姿だが、グリムを追い、鏡を通じて現世に現れることができた。その際には人間の姿となるが、人間の社会で生活したことはないために、人間としての常識的な行動はできない。しかし順応性は高く、言葉もすぐ話せるなど高い知能を持っている。ヴォーガせずに人間の姿のままでも能力を使うことは可能で、杖を大蛇に変えて襲わせたりする。杖には大きな光る石がついており、その力は異界と変わらず、それを当てただけで一般の人間を感電死させてしまう。モンローの家に伝わるヴェッセン用の聖書には「神の力を持つ不滅の杖の物語」があり、強い力を持つ杖は100の欠片となって悪の手に落ちぬように世界中に散らばった、とある。ツェアシュテーラーは、杖を完全な状態にするべく最後の破片を探していると考えられる。
出典:グリム(GRIMM)
4.管理人の感想
色々なヴェッセンや魔女達が出てくるハンター系の海外ドラマ、大人気のスーパーナチュラルとかぶってますね。
海外でも視聴率が高かった海外ドラマだけあって、面白いです。特に予想外の展開が起きることが多いので飽きずに観ることができます。シーズン4あたりでは憎き敵のアダリンドと愛する彼女のジュリエットがまさかの展開になったりするのでダラダラいい話が続くだけのドラマよりはずっといいです。
ただ設定上はグリムの能力って「魔物の真実の姿を暴く」だけのはずが、ヴェッセンにめちゃくちゃビビられたり、ヴェッセンを圧倒したりするのがイマイチピンときませんでした。
グリムのトレーラーにある資料や武器を使ってヴェッセンを攻略していくのは納得できるのですが、シーズン1で刑事のニックがグリムとして開眼後、特に特殊な修行を積んだわけでもないのに、なぜかガタイがいい黒人マッチョなハンクよりヴェッセン無双できるかずっと疑問でしたね。
また、グリムはヴェッセンの種族と人物相関を理解していた方が楽しめると思いますので、この記事を参考にしてより深くグリムを楽しんで頂けたらと思います。(グリム種族はかなりの量です)